定期報告でそのリフォームは違法と指摘(改修工事に潜むリスク)

定期報告制度とは?

 ホテル、病院、物販店舗など、不特定多数の人が利用する特定建築物は、事故や災害が発生すると多くの人命に影響を及ぼす恐れがあります。こうした事故等を防ぎ建築物等の適法性を確保するために、建築基準法では専門の技術者により建築物等を定期的に調査・検査し、特定行政庁に報告する必要があります。

定期報告の調査・検査は4タイプ

  • 特定建築物の調査
  • 防火設備の検査
  • 建築設備の検査
  • 昇降機等の検査

H28年に制度改正があった

今まで、地域ごとの特定行政庁が指定していたが、国が政令で一律に指定し、そのほか特定行政庁も指定することができるようになっています。防火設備検査員が新たに追加されました。

結果、防火設備の検査項目が増えており、その点を調査時に指摘されることがあるようです。

画像引用:国土交通省
画像引用:国土交通省

このほかに、特定行政庁ごとに指定があるので、地域ごとに確認が必要です。

なぜリフォームにリスクがあるのか?

特定建築物は定期的に調査が入ります。

内容に応じて、毎年~3年ごとに建物に調査が入ります。

調査に入るのは、専門技術を有する資格者となっています。資格者とは、建築士(一級・二級)、法定講習終了者で資格者証の交付を受けたものとなっています。資格者の中には、法律に関して、そこまで深い知識がない人もいるのが実情ですが、中には大手設計事務所、役所を退職した人も含まれます。

防火設備、建築設備を考慮せずにリフォームしてしまった

定期報告の対象部分が広がったことにより、調査者から問題点を指摘されることが増えているようです。以下のような事例があります。

防火設備に【要是正】

竪穴区画をされていた部分に対して、区画を構成する部分を変更し、竪穴区画によって設けられた防火設備・区画をなくしてしまった。

このケースは、避難経路も塞いでしまい、非常用照明も不足し、相当な費用負担が発生しています。適法にするための改修期間は当該部分の利用ができないため、その部分の保証まで請求されていました。

排煙設備に【要是正】

引用:マンション管理ネット

排煙設備が設けられていたが、排煙口を塞ぐ形で、間仕切壁を設定したため、排煙風量が不足しているという報告をあげられた。

こちらのケースも、避難経路も変わっており、避難距離が指定距離より長くなってもいました。壁の位置変更だけで対応が可能だっため、工事費用は大きくありませんでしたが、やはり入居者から改修期間中の損害賠償をどうするのか、という点で長期にわたって協議が必要となっていました。

具体的な対策はどうすればよいのか?

建物が店舗・病院などの特殊建築物や一定規模以上の建築物かどうかが重要となります。戸建て住宅とは異なり、多くの法規制がかかってきています。また特定建築物に該当すれば、上述したように定期報告対象となり、調査が入ることになります。

それらのリフォーム計画時は、建築基準法、消防法への一定の知識が必要となります。設計者・施工者自身で知識を有して対応するのが一番早いかもしれませんが、それらの知識はすぐに習得するにはあまりに膨大な情報量といえるでしょう。

そのような部分は、第三者に外部委託をするのがよいかもしれません。ただし、その費用は意外と高額になるものです。リフォームの場合、あまり多くの予算が確保できないことが多いので、そんな時はぜひ当サービスのご利用をご検討ください。

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