【建築物省エネ法改正概要(2026年4月)】/省エネ基準引き上げ(300㎡以上の非住宅)

2024年(令和6年)に2,000㎡以上の非住宅の基準が引き上げ(BEI0.75~0.85)られています。それまでより15%~25%基準を引き上げていますので、それらを踏襲することが予想されます。

2025年原則全ての建築物に対して省エネ義務化が求められるインパクトかなり大きいものでしょう。小さな事務所、飲食店、コンビニエンスストアに対しても省エネ基準への適合が義務付けられてきます。

2026年にも実は予定されている基準強化があります。それは2024年に2,000㎡以上としていた非住宅の基準強化(BEI0.75~0.85)を300㎡以上に拡大する計画となっています。

2030年までに全ての建築物の基準を強化(BEI0.6~0.8)とする計画のため、小規模建築物に関しては省エネ性能義務に対するコスト割合がかなり増大する可能性があります。

2026年 BEI1.0 → 0.75~0.85 へ(非住宅300㎡以上)

中規模建築物(300㎡以上)に対して2026年に省エネ基準が強化されます。
内容は2024年の改正と恐らく同等の内容になるため、15%~25%の強化になると思われます。

飲食店は半分以上が不適合

強化基準の規模が300㎡以上になることはあまり話題になっていませんが、実はかなりの割合で現状の計画では建築物省エネ法に対して不適合となってしまいます。

2024年強化基準は用途別で

用途BEI
工場等 0.75 
事務所等0.8
飲食店等0.85
2024年強化後のBEI

強化された2024年基準への適合率4割~9割程度です。(H30~R2年度の実績)

工場系適合率9割程度となっており、適合させることは比較的容易と言えるでしょう。また照明設備の評価のみのため、不適合の場合も対応は難しくありません。

問題はそれ以外の用途で、事務所系7割程度飲食店等に至っては4割程度とかなり低く半分以上が省エネ性能を向上させなければ不適合となってしまいます。

中規模店舗はコストUP

2,000㎡であれば、飲食店に関してはあまり該当するケースはないかもしれませんが、300㎡以上となればかなり該当物件も多くなります。デザイン・省エネ性能・建築コストのそれぞれを両立させたプランニングが求められてくるでしょう。2026年(令和8年)以降は省エネに対する配慮が今以上に必要となります。

2030年(令和12年)に小規模建築物も省エネ基準強化(BEI0.8)

2030年全ての規模、用途でBEI0.8以上に強化される予定となっています。用途ごとに細かな差があるはずですが、小規模に対して基準強化がされる場合は、影響が大きくなります。

レストランもおしゃれなデザインで開口部を大きくすることがありますが、そのようなデザインは省エネ性能を確保するため太陽光発電設備を設置するなど何らかの対策を講じないと適合しない恐れもあります。

例えば、小さなプレハブで事務所を作っても省エネ性能が求められます。プレハブ系のメーカーは影響が大きいため省エネ性能を確保したプレハブに改良する必要があります。

いずれにしても新築に関してイニシャルコストが増大するため、建築主が店舗新規出店を既設建築物に変更するなど新築計画への影響が徐々に発生することも危惧されるでしょう。

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